この記事では、システムエンジニアの平均年収や男女・経験年数・スキルなど条件別のシステムエンジニアの年収をご紹介しています。
記事の後半では、IT関連産業の給与と比較したランキングや、システムエンジニアが年収をアップさせる方法についても解説していますので、これからのキャリアのご参考にどうぞ。
Contents
システムエンジニア(SE)の平均年収
2019年賃金構造基本統計調査 によると、
企業規模10人以上の企業に勤めるシステムエンジニアの平均年収は568万9,000円となっています。
一方で、企業規模1,000人以上の企業に勤めるシステムエンジニアの平均年収は627万2,300円であり、規模が大きい企業に勤めているエンジニアの方がやや年収が高いという結果になっています。
また、日本人全体の平均給与は433万円ですので、日本人の平均年収よりも高い水準となっていることがわかります。
【システムエンジニア・SE】男性・女性・年齢別年収
ここでは、男女・年齢による平均年収を一覧にまとめました。
年齢 | 男性 | 女性 |
20〜24歳(経験0年) | 285万円 | 314万円 |
25〜29歳(経験1〜4年) | 403万円 | 351万円 |
30〜34歳(経験5〜9年) | 494万円 | 468万円 |
35〜39歳(経験10〜14年) | 539万円 | 486万円 |
40〜44歳(経験15年以上) | 623万円 | 534万円 |
●経験0年の新入社員は男女ともに300万円前後で女性の方が30万円ほど高い結果に。
●経験1~4年は男性の方が50万円ほど高いようです。
●経験5~9年になると差が縮まり、男性が女性を25万円ほど上回っています。
●経験10~14年で女性の年収伸びが停滞。
おそらく結婚や出産などのライフイベントが影響していると考えられます。
●経験15年以上になると男女の年収の差は89万円になりました。
全体で見てみると、女性よりも男性の給与がやや上回っているという結果になりました。
補足ですが、「日本人男性の平均年収は532万円」「日本人女性の平均年収は293万円」となっていますので、その差は239万円。
一般的な会社員と比べるとシステムエンジニアの男女の給与の差は小さいため、女性でも高い年収を狙える業種という見方ができますね。
【システムエンジニア・SE】経験年数による年収の差
他の専門職同様に、システムエンジニアの平均年収も経験年数により大きく変わります。
ここでは、経験年数ごとの平均年収をご紹介します。
「年収ではイメージがつきにくい」という方のために手取りの金額も計算しているのでご参考にどうぞ。
(手取りはあくまで概算。実際の手取り収入はこれよりも少し上回ると考えられます。)
●手取り年収の条件
会社勤め・扶養親族なし・給与所得控除、基礎控除、社会保険料控除のみ考慮して計算
経験年数(全年齢合計) | 平均年収 | 手取り年収 | 手取り月収 |
0年 | 328万円 | 260万円 | 22万円 |
1〜4年 | 411万円 | 325万円 | 27万円 |
5〜9年 | 493万円 | 385万円 | 32万円 |
10〜14年 | 545万円 | 424万円 | 36万円 |
15年以上 | 643万円 | 494万円 | 41万円 |
e-Stat「政府統計の総合窓口」賃金構造基本統計調査を元に作成。
一口にシステムエンジニアといっても、得意な分野やスキルが違うと収入も異なります。
そのため、他の職業に比べ個人による年収の開きが大きいというのが実情です。
【システムエンジニア・SE】年収のボリュームゾーン
政府統計データ・求人等あらゆる情報を考慮した上で、システムエンジニア(SE)30代前半男性の年収の1番のボリュームゾーンは480万円~550万円と考えられます。
システムエンジニアの年収は個人のスキルや所属する会社により上下の幅が大きく開きます。平均と自分の年収を比べてみても、自分の年収の方が低いということも往々にしてあるでしょう。
参考データ:令和元年賃金構造基本統計調査による職種別平均賃金
参考データ:賃金構造基本統計調査
スキルによる年収の差
IT関連産業の給与等に関する 実態調査結果を見てみると、システムエンジニアに限らず、IT関連産業に関わる技術職の方はスキルのレベルによって年収に差があることがわかります。
この調査におけるレベルは下記の通り。
レベル1 … 新人・初級者レベル/仕事に慣れ始めたレベル
レベル2 … 上位者の指導のもとに仕事ができる若手人材レベル
レベル3 … 独立して仕事ができる中堅人材レベル
レベル4 … 部下を指導できるチームリーダーレベル
レベル5 … 社内での指導者・幹部レベル
レベル6 … 国内で著名なレベル
レベル7 … 国際的に著名なレベル
レベル4の部下を指導できるリーダーの位置から年収が一気に上がる印象ですね。高い年収を目指すのであれば技術面とプロジェクトを管理していくスキルを磨いていく必要がありそうです。
IT関連産業における給与ランキング
経済産業省が出しているIT関連産業の給与等に関する実態調査(平成29年)を元にmoveIT!が独自のランキングを作成しました。
ランキング | 業種 | 年収 |
1位 | ITコンサルタント | 929万円 |
2位 | プロジェクトマネージャ | 892万円 |
3位 | プロデューサー/ディレクター | 793万円 |
4位 | IT関連営業・マーケティング | 783万円 |
5位 | 高度SE・ITエンジニア
(基盤設計担当・ITアーキテクト) |
778万円 |
6位 | IT技術スペシャリスト
(DB・NW・セキュリティ等) |
758万円 |
7位 | インターネット関連企業営業・マーケティング | 682万円 |
8位 | IT教育(講師・インストラクタ等) | 51万円円 |
9位 | IT運用・管理(顧客向け情報システムの運用) | 609万円 |
10位 | SE・プログラマ(組み込みソフトウェアの開発・実装) | 604万円 |
高度SEは5位、SEは10位という結果になりました。
日本人の平均年収は433万円(令和2年分調査結果)というデータが出ており、中央値は399万円。
平均・中央値ともに上回り、SEは日本人の全体の年収と比べると多いことがわかります。
【システムエンジニア・SE】年収アップの方法
ここまで、システムエンジニアの平均年収をご紹介してきましたが「今の会社は平均年収よりも低い」「もっと年収をアップさせたい」と感じた方もいるのではないでしょうか。
ここからは、システムエンジニアの方が年収をアップさせる方法をいくつかご紹介します。
スキルアップをする
システムエンジニアのスキルアップについては、大きく分けて2種類あります。
一つは、技術の向上。
二つ目は、コミュニケーション能力など技術以外のスキルを向上させる方法。
技術の向上については、得意分野の専門性を高めていく方法と専門分野の幅を広げていく方法があるでしょう。
最近では、フルスタックエンジニアというオールラウンドに活躍できるエンジニアに注目が集まっています。
技術の幅を広げることで、年収やエンジニアとしての価値も向上していきそうですね。
技術以外のスキルアップについては、リーダーに求められるマネジメント能力や、コミュニケーション能力の向上を意識すると良いでしょう。
リーダーやディレクターなど、さらに上のポジションを目指すことで年収を上げていくことが可能になります。
転職する
同じシステムエンジニアでも所属する企業によって、年収が大きく変わる場合があります。
企業の規模や、下請け、元請け、などでも大きな違いがあるでしょう。
今の給料に満足していないという方は、転職を視野に入れてみてはいかがでしょうか。
副業をする
IT業界は、比較的副業に対して寛容な企業が多いです。
ただ単に今よりも収入を増やしたいと考えている方は、副業をしてみるのも良いでしょう。
副業で新たな分野に挑戦してみると、エンジニアとしての価値をアップさせることもできるため一石二鳥です。
フリーランスになる
フリーランスになると、実績が収入に直結します。
「個人の成果がなかなか評価されない・・・」とお悩みの方は、フリーランスになることで収入アップが見込めるかもしれませんね。
関連記事⇨エンジニアがフリーランスで働くメリットとは?案件はどこから受注する?
まとめ
・企業規模10人以上の企業に勤めるシステムエンジニアの平均年収は568万9,000円。
・企業規模1,000人以上の企業に勤めるシステムエンジニアの平均年収は627万2,300円。
システムエンジニアの年収は、所属する企業や、個人のスキルにより大きな差があるのが実情です。
もし今の給料に満足していない場合は、スキルアップまたは転職・起業も視野に入れてみてはいかがでしょうか。
IT業界はこれからの需要も大きく、特にシステムエンジニア(SE)は人材不足が続いているため好条件で転職できる可能性も高いでしょう。
柔軟な働き方ができる時代。
自分に合った働き方で、充実感の高い仕事をしていきたいものですね。