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「SEのスキルアップ -プロジェクト管理の基本「PMBOK」について知ろう!【後編】

「SEのスキルアップ -プロジェクト管理の基本「PMBOK」について知ろう!【後編】

プロジェクト管理の世界標準知識であるPMBOK。
前編では、PMBOKに関する基本的な概要や知識について紹介しました。後編となる今回は、より具体的な活用方法を解説していきます。PMBOKを知り、それを活用していくことで、他とは違うワンランク上のSEを目指していきましょう。

PMBOKとは

PMBOKは「Project Management Body of Knowledge」の略称で、プロジェクトマネジメントに関する手法やノウハウをまとめたものです。
PMBOKは、プロジェクトが5つのプロセスと10の知識に分類・体系化されており、プロジェクトのQCD(品質、費用、納期)向上のために活用することができます。

PMBOKを活用するには

PMBOKについての基本的な概要を紹介した前編に対し、後編ではそのPMBOKをどのように活用していくかについて、具体的なポイントを以下に解説していきます。

PMBOKの限界を理解する

まず前提として知っておかなければならないのが、PMBOKはプロジェクトマネジメントを体系化し、理解しやすくする概念のようなものであり、具体的な方法や実践的な手段を教えてくれるものではないということです。プロジェクトは千差万別であり、最適解も都度異なってきますから、それらをPMBOKにあてがいながら、この場合はどうすべきかということを自ら考えなくてはなりません。
PMBOKがあればプロジェクトが成功するのではなく、PMBOKに基づいた具体的な施策があってこそ、初めてプロジェクトは成功するということを念頭に置いて、取り組んでいかなければなりません。

PMBOK専用のツールを用いる

PMBOKが5つのプロセスと10の知識で体系化されているように、プロジェクトの進行には非常に多くの情報が飛び交い、かつそれらを常に適切に把握していかなければなりません。
この把握が一つでも漏れてしまったことで、プロジェクト全体が総崩れになってしまうことも無い話ではないのです。そこで重要になってくるのがプロジェクト管理ツール。現在の作業現場では、表計算ソフトやスケジュール管理ツールがプロジェクト管理ツールとして使われるケースが多いのですが、これではPMBOKが定義する広い範囲の情報をまとめ切ることはできません。PMBOKに準拠した専用のツールを用いて、しっかりと適切にプロジェクトを管理すること。これが、PMBOK活用のための第一歩となります。

関係各所との連携を密接にする

プロジェクトの進行には、人的リソースを提供してくれる人事部門や、外部からの資源を提供してくれる購買部門など、実働部隊以外にも多くの人や部署が密接に関係してきます。
そのため、SEとして働く現場以外の関係各所とのコミュニケーションを豊かにしておくことが、PMBOKを活かし、プロジェクトを成功に導くためには必要不可欠な要素となるのです。
自らに与えられた業務や責任の幅を狭くするのではなく、広い視野と行動範囲で積極的に他部門と連携していくことが重要です。

リスクを理解し、受け入れる

PMBOKの知識の一つにリスク管理がありますが、これは何もすべてのリスクを排除すべき、というものではありません。
時にはリスクを受け入れて、より大きな成功の可能性に賭けた方が得策な場合もあるのです。
往々にして、リスクは恐怖の対象であり、避けることこそが正しいと思われがちですが、PMBOKを活用するためには、リスクの一つひとつとしっかりと向き合い、それに対してどのように対応するのかを考えていかなければなりません。リスクと向き合うことによって、初めて回避すべきものなのか、それとも受け入れるべきものなのか、はたまたより高度なスキルや知識を持つ第三者に転嫁するのか、といった判断ができるようになるのです。リスクを洗い出し、それに対する最適な対応方法を考え、見つけ出していくのも、PMBOKが活かせる大きなポイントの一つと言えるでしょう。

プロジェクトの結果を次に活かす

プロジェクトの完了後に出てくる反省点や成功点を分析する際にも、PMBOKは有効に作用します。
失敗にしても成功にしても、その結果には原因が必ずあるものですが、プロジェクト管理を怠ってしまっていると、その原因を見つけ出すことができません。
そうなると、次のプロジェクトで同じ失敗をしてしまったり、逆に成功していた部分を取り消してしまったりすることもあるでしょう。
しかし、PMBOKに沿ってプロジェクトを遂行していれば、原因と結果の因果関係が一目瞭然です。
冒頭でも解説した通り、PMBOKは具体的な解答方法を教えてくれる教科書ではありませんから、それらを用いながら、組織そのものが成長していくことが必要不可欠。
PMBOKに基づいて進んだプロジェクトをデータベース化することで、次のプロジェクトの失敗の数を減らし、成功の数を増やしていくことができるようになるのです。

まとめ

後編となる今回は、PMBOKの具体的な活用方法について解説してきました。
大切なのは、PMBOKの限界を理解し、自分なりの考え方ややり方をしっかりと整理し、体系化することです。
これによって、次にやるべきこと、起こりうるリスク、得られる結果、必要なリソースが明確になり、プロジェクトの質が高まっていくのです。
「PMBOKでいうところの、これは現状こうなっているから、次はあれをすべきだ」という風にして活用してこそ、PMBOKの進化は発揮されます。
逆に言えば、そうした自らの考えや想い、行動がなければ、PMBOKは活かされないということでもあります。
ツールを導入して、現状を入力して終わり、ではなく、それをもって次の一手はどうするかを考える。
そこまでできてこそ、初めてワンランク上のSEが目指せるのです。

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