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フリーランスと正社員の違い、どっちが得する?年収・手取り・働き方を徹底比較

「フリーランスと正社員、同じ仕事量ならどっちが得?」
この疑問を抱える方は多いでしょう。結論から言えば、どちらが得かは個人の価値観と現在の状況によって決まります。安定を重視するなら正社員、自由度と収入の上限を求めるならフリーランスが適しています。

この記事では、社会保険から収入面、働き方まで7つの軸で徹底比較し、あなたにとって最適な働き方を見つけるお手伝いをします。さらに、どちらにも共通する注意点や、失敗しない転向方法まで詳しく解説していきます。

フリーランスと正社員の基本的な違い

まず、それぞれの働き方の特徴を整理しておきましょう。
フリーランスは個人事業主として、複数のクライアントと案件ごとに契約を結び、自分のスキルを提供する働き方です。一方、正社員は企業と雇用契約を結び、継続的に労働力を提供する代わりに安定した給与と福利厚生を受ける働き方です。
この基本的な違いから、以下で詳しく説明する様々な差が生まれてきます。

社会保険・社会保障面での比較

社会保険面では、正社員が圧倒的に有利です。

正社員の場合、健康保険は会社の健康保険組合に加入でき、保険料は会社が半額負担してくれます。年金についても厚生年金に加入するため、将来的な受給額が国民年金よりも大幅に多くなります。さらに、雇用保険により失業時の手当が受けられ、労災保険で業務中の災害時には手厚い補償が受けられます。

一方、フリーランスは国民健康保険と国民年金にしか加入できず、保険料は全額自己負担です。雇用保険はなく、労災保険も任意加入となります。病気やケガで働けなくなった際の傷病手当金も対象外です。

この社会保障の差は、将来的な安心感に大きく影響します。特に家族を養っている方や、将来の不安を感じやすい方にとって、正社員の社会保障の手厚さは大きなメリットといえるでしょう。

福利厚生面での比較

福利厚生についても、正社員に軍配が上がります。

正社員なら有給休暇が法定で付与され、多くの企業でボーナスや退職金制度が用意されています。住宅手当や通勤手当、家族手当などの各種手当も充実しており、健康診断も会社負担で受けられます。研修制度も整っているため、スキルアップのための投資も会社がしてくれます。

フリーランスの場合、これらの福利厚生は一切ありません。休暇は自由に取れますが、その分収入は減少します。スキルアップのための研修や書籍代、健康診断費用もすべて自己負担です。

ただし、フリーランスの場合は、これらの費用を経費として計上できるため、税金面でのメリットはあります。とはいえ、トータルで見ると正社員の福利厚生の方が手厚いのが現実です。

収入面での比較

収入面は、視点によって評価が分かれるところです。

正社員の場合、毎月決まった給与が支払われるため、収入の安定性は抜群です。年1回程度の昇給やボーナスもあり、長期的に見れば着実な収入アップが期待できます。しかし、昇進や昇給には限界があり、収入の上限も会社の給与体系に縛られます。

一方、フリーランスは収入に上限がありません。スキルアップや営業力向上により、正社員時代を大幅に上回る収入を得ることも可能です。案件単価の交渉次第では、即座に収入アップを実現できます。

ただし、フリーランスの収入は案件の受注状況に大きく左右されます。安定したクライアントがいないと収入が途絶えるリスクがあり、特に独立したての頃は収入の浮き沈みが激しくなりがちです。
安定性を重視するなら正社員、成長性と自由度を求めるならフリーランスが適していると言えるでしょう。

働き方・休暇面での比較

働き方の自由度については、それぞれ異なる魅力があります。

正社員は有給休暇が法定で保障されており、休暇中も給与が支払われます。産休・育休制度も整っているため、ライフイベントに対する安心感があります。会社によっては長期休暇制度やリフレッシュ休暇なども用意されています。

一方、フリーランスは働く時間や場所を完全に自分で決められます。平日の昼間に旅行に行くことも、子どもの行事に合わせて休むことも自由です。満員電車に乗る必要もなく、自宅やカフェなど好きな場所で働けます。

ただし、フリーランスの場合は休んだ分だけ収入が減るため、長期休暇を取りにくいという現実もあります。また、クライアントとの関係上、完全に連絡を断つことが難しい場合もあります。
保障された休暇を重視するなら正社員、自由度を重視するならフリーランスが向いているでしょう。

社会的信用面での比較

社会的信用については、正社員の方が明らかに有利です。

住宅ローンの審査では、正社員の方が圧倒的に通りやすく、金利面でも優遇されることが多いです。賃貸契約でも、正社員の方が家主や不動産会社からの信頼を得やすく、保証人が不要な場合も多いです。クレジットカードの作成についても、正社員の方が審査に通りやすい傾向があります。

フリーランスの場合、収入が高くても「不安定」と見なされがちで、各種審査で不利になることがあります。特に独立したての頃は、実績が少ないため信用度が低く見られがちです。

ただし、フリーランスとして数年間安定した収入を得ていれば、徐々に信用度も上がってきます。法人化することで、さらに信用度を向上させることも可能です。

税金・経費面での比較

税金面では、フリーランスの方が節税効果を得やすいです。

正社員の場合、税金の計算は会社が年末調整で行ってくれるため手間がかからない反面、節税の余地は限定的です。給与所得控除は自動的に適用されますが、それ以外の経費計上は難しいのが現実です。

フリーランスは確定申告を自分で行う必要がありますが、事業に関連する費用を幅広く経費として計上できます。自宅の家賃や光熱費の一部、パソコンや機材費、書籍代、セミナー参加費、取引先との会食費なども経費になります。

フリーランスが経費として計上できる主な項目は以下の通りです。
  • 自宅の家賃・光熱費(事業利用分)
  • パソコン・機材費
  • 書籍・セミナー参加費
  • 通信費・インターネット代
  • 交通費
  • 取引先との会食費
正しい知識を身につけて適切に経費計上すれば、年間50万円から100万円の節税効果も期待できます。ただし、税務処理の負担や税理士への依頼費用なども考慮する必要があります。

年収と手取りの違い

同じ年収でも、手取り額には大きな差が生まれます。

一般的に、正社員の手取りは年収の約8割、フリーランスの手取りは年収の約7割程度になります。これは、フリーランスの方が社会保険料を全額自己負担することが主な理由です。

具体的な例で見てみましょう。年収400万円の場合、正社員なら手取りは約320万円ですが、フリーランスは約280万円となり、40万円の差が生まれます。年収500万円では正社員が約400万円、フリーランスが約370万円で30万円の差。年収700万円では正社員が約560万円、フリーランスが約490万円で70万円の差となります。
この差は、国民健康保険料と国民年金保険料の負担の大きさによるものです。ただし、フリーランスの場合は経費による節税効果があるため、実際の負担感はこの数字より小さくなる可能性があります。

フリーランスとして高い手取りを確保するためには、収入を増やすことと同時に、適切な税金対策を行うことが重要です。
関連記事:フリーランスエンジニアの節税対策5選!活用できる経費や控除を解説

それぞれに向いている人の特徴

正社員に向いている人

正社員に向いているのは、以下のような特徴を持つ方です。

【安定志向の方】は正社員が適しています。毎月決まった収入があることで将来の計画を立てやすく、特に家族を養っている方や住宅ローンを組みたい方には大きなメリットがあります。

【協調性を重視する方】にも正社員向きです。チームワークを大切にし、組織の中で上司や同僚と連携しながら仕事を進めることが得意な方、管理職として部下を指導することに興味がある方に適しています。

【ワークライフバランス】を重視する方にとっても正社員は魅力的です。有給休暇をしっかり取って長期休暇を楽しみたい方、残業は程々にしたい方には理想的な働き方といえるでしょう。

フリーランスに向いている人

フリーランスに向いているのは、以下のような特徴を持つ方です。

【自己管理能力が高い方】はフリーランスに向いています。時間管理が得意で、自分で目標を設定し、継続的に学習を続けることが苦にならない方には理想的な働き方です。

【挑戦志向の方】にもフリーランスが適しています。新しいことに積極的に取り組め、失敗を恐れずに変化を楽しめる方、特定分野の専門性を極めたい方や技術力で勝負したい方に向いています。

【自由度を重視する方】にとってもフリーランスは魅力的です。働く時間や場所を自分で決めたい方、人間関係のストレスを避けたい方、収入に上限を設けたくない方にも適しているでしょう。

それぞれのリスクと対策

フリーランスのリスクと対策

フリーランス最大のリスクは収入の不安定性です。案件が途切れる可能性があるため、常に複数のクライアントとの関係を維持し、3から6ヶ月分の生活費を確保しておくことが重要です。

社会保障の薄さも大きなリスクです。病気やケガで働けなくなった際の収入補償がないため、民間の所得補償保険に加入したり、小規模企業共済を活用したりしてリスクヘッジを図りましょう。

確定申告の負担も見逃せません。税務処理のミスや時間的負担を軽減するため、会計ソフトの導入や税理士への依頼を検討しましょう。

社会的信用の低さについては、実績作りと与信管理を徹底し、将来的には法人化も視野に入れることで改善できます。

正社員のリスクと対策

正社員の場合、収入に上限があることがリスクとなります。昇進や昇給に限界があるため、副業が許可されている会社を選んだり、市場価値の高いスキルへの投資を続けたりすることが対策となります。

組織に依存することのリスクも考慮すべきです。会社の倒産やリストラの可能性に備えて、転職可能なスキルを身につけ、複数の収入源を確保しておくことが重要です。

人間関係のストレスや自由度の制限については、入社前に企業文化をよく調べ、柔軟な働き方を認める会社を選ぶことで軽減できます。

兼業・副業という選択肢

どちらか一方を選ぶのではなく、両方を組み合わせる選択肢もあります。

正社員を続けながらフリーランスとして副業を行えば、安定収入を維持しながら追加収入を得られます。また、フリーランスとしての適性を試すことができ、スキルアップの機会も広がります。

ただし、会社の副業規定を必ず確認し、年間所得が20万円を超えた場合は確定申告が必要になることを覚えておきましょう。時間管理を徹底し、本業に支障をきたさないよう注意することも大切です。

成功のポイントは、本業と関連性の高い分野から始めること、時間管理を徹底すること、クライアントとの信頼関係を重視すること、そして段階的に副業の時間を増やしていくことです。

キャリアチェンジは可能?

フリーランスから正社員への転向

フリーランスから正社員への転向は十分に可能です。むしろ、フリーランス経験は転職市場で高く評価される傾向があります。

自己管理能力の高さ、問題解決能力、顧客対応スキル、最新技術への適応力など、フリーランスとして培った能力は企業にとって魅力的です。複数のプロジェクトを経験していることも強みになります。

ただし、組織文化への適応やチームワークの重要性を理解し、長期的視点でのキャリア設計を示すことが重要です。

正社員からフリーランスへの転向

正社員からフリーランスへの転向も、計画的に進めれば十分可能です。

まずは副業から始めて徐々に移行することで、リスクを最小限に抑えられます。現在のスキルや人脈を棚卸しし、3から6ヶ月分の生活費を準備しておくことが大切です。

営業スキルの習得、案件獲得のルート確保、税務・法務知識の学習、自己ブランディングなどの準備も必要です。

フリーランスに必要なスキルと準備

フリーランスとして成功するためには、技術スキルだけでなく、様々な能力が必要です。

まず、専門分野の深い知識と最新技術への継続的な学習が欠かせません。複数の技術を組み合わせて提案できる能力も重要です。

営業スキルとして、自己PR能力、価格交渉力、クライアントとの関係構築能力を身につける必要があります。

経営者としての視点も必要で、時間管理、財務管理、リスク管理、セルフマネジメントの能力が求められます。

コミュニケーションスキルとして、要件定義能力、進捗報告、トラブル対応なども重要です。

失敗しないための準備として、以下のステップを踏むことをお勧めします。
  • Step1: 副業から始める 本業を続けながらスキルを習得し、クライアント獲得の練習をして、フリーランスとしての収入感覚を掴みましょう。
  • Step2: 人脈形成 勉強会やセミナーに参加し、SNSで情報発信を行い、既存の知り合いにも相談してネットワークを広げます。
  • Step3: 資金準備 生活費3から6ヶ月分の貯金、機材やソフトウェアの購入費用、税理士費用などを準備しておきます。
  • Step4: 法務・税務知識の習得 確定申告の理解、契約書の読み方、知的財産権の理解など、必要な知識を身につけます。

よくある質問

結局どちらが稼げるの?

短期的には正社員の方が安定していますが、長期的にはフリーランスの方が高収入を得られる可能性があります。ただし、スキルレベルや営業力に大きく依存するため、個人差があります。

兼業・副業はできるの?

正社員の場合は会社の規定次第ですが、多くの企業で副業が解禁されています。フリーランスは自由に複数の案件を受注できます。

一度フリーランスになったら正社員に戻れない?

全く問題ありません。むしろフリーランス経験は転職市場で高く評価されます。自律性や専門性をアピールできる強みになります。

家族がいてもフリーランスになれる?

可能ですが、より慎重な準備が必要です。十分な貯金と安定したクライアントを確保してから転向することをお勧めします。

年齢制限はある?

フリーランスに年齢制限はありません。50代・60代でも活躍している人は多数います。正社員転職は年齢が上がるほど難しくなりますが、スキルと経験次第です。

まとめ

フリーランスと正社員、どちらが得かは現在のライフステージ、自分の性格・価値観、そしてスキル・経験レベルによって決まります。
独身で挑戦志向が強く、専門性を極めたい方にはフリーランスが適しているでしょう。一方、家族を養っていて安定を重視し、協調性を大切にする方には正社員が向いています。
迷った場合は、正社員を続けながら副業でフリーランスを体験することをお勧めします。実際の働き方を体験してから判断すれば、失敗のリスクを大幅に減らすことができます。

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そのため、フリーランスとして働きたい場合でも、正社員として働きたい場合でも、moveIT!にお任せください。

コラム著者情報

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